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錦鯉の飼育

戸外での飼育

錦鯉といえばさまざまな色模様の錦鯉が群れをなして、まさに錦を描きながらゆったりと優雅に泳ぐ姿をイメージするが、そうしたイメージを実際に満喫するには、やはり屋外での飼育以外には考えられない。
屋外で飼育する場合、「鯉の滝登り」の水墨画に描かれているような鯉(錦鯉)が他の川魚のように川のような強い水流のあるところでもすいすい泳ぎ、河川流域に生息していると誤解して、水流をどうにかしなければなどと考え過ぎてしまう向きもあるかもしれないが、鯉や錦鯉の飼育には水流などの影響を受けない池などが最適といえるのである。
平安貴族の邸宅や江戸の大名屋敷などのように川の流れを引き込んだ池で飼育するというものではない。山古志のように水田用の灌漑のため池など流れのない池でも錦鯉はストレスなく穏やかに生息できるのである。
今日では各種濾過装置など養魚機器の発達で、昔ながらの和風の池から養魚用の池、ビルの屋上に造られたプールや、防水シートを張っただけの池まで、あらゆる池での水質の維持管理が可能になり、手軽に錦鯉飼育が可能となり、養魚設備、技術の進化によってどのような環境でも錦鯉を飼うことが可能となっている。

屋外飼育で準備しなければならないものとしては、当然のことだが、飼育用に使う池もしくは大型水槽、プールなど。池などの水の水質保全のための濾過装置(ゴミ取りからアンモニア分解までを管理する一連の装置)、タモ、エサ、といったところになる。

錦鯉を育てる場合、日常的な管理はそれほど手間隙かかるものではない。極めて飼育しやすいものと考えてよい。
飼育のために日常的にしなければならないことは、第1に池の水の管理にかかわることである。といっても基本的なことを抑えておけば水質の管理といっても、錦鯉などの生存能力の高い魚は、それほど神経質になる必要はない。
まず、一番手始めにできること、すべきことは池の中にゴミや枯れ葉、そして雨樋などからの雨水が流れ込まないようにすることである。これは、池の水の濁りや汚れなどの見た目だけのことではなく、ゴミや枯葉、土砂を含んだ雨水などには雑菌や不必要なバクテリアが存在することを忘れてはならない。そうした雑菌やバクテリアが池の水の中で増殖することで錦鯉に悪影響を及ぼすことを防止することにある。
また、はからずも池底に沈んでしまった汚物は、腐敗して水質を悪化させるだけでなく、錦鯉の体色にも悪影響を及ぼすこともあるため、水中ポンプなどで排水して取り除く必要がある。そのため、池などはあらかじめ底の水などを排水するなど、強制排除ができるようにしておくことも考慮すべきである。濾過槽を備えた循環濾過装置が設置してあれば、掃除もそれほどの頻度で行う必要もなくなるので、濾過槽付の循環濾過装置の設置は、屋外飼育を始めようとする場合考慮に値するといえる。
また、給餌に関しては与えすぎないようにすることを厳守し、水温が8℃以下のような低温のときは給餌せず、錦鯉の様子を見ながら、動きが活発になったような時に少量を与える程度にとどめるべきだろう。逆に水温が高く30℃以上にもなった時は、錦鯉は日陰になった部分などで動きを鈍くしているはずだが、池全体を日よけや遮光ネットなどで直射日光から守ってやるのは当然だが、錦鯉の動きを見ながらエサも回数、量とも調整を心がけるべきだろう。
濾過材については、水の汚れ具合を見ながら2~3ヵ月に1回くらい池の水で洗う。あまり水が汚れやすい場合、池に対して錦鯉の尾数が多過ぎたり、エサのやりすぎ、濾材等の濾過能力、汚水の混入などさまざまな原因も考えられ、専門店に相談することが望ましい。

繰り返しになるが、基本的に錦鯉の飼育は比較的簡単で、水槽もしくは池と濾過装置があればどこでも、誰でもできるものである。気をつけなければならないのは、エサやりすぎ、尾数の入れすぎ、水を替えすぎない、濾材を洗いすぎないというのが基本で、できるだけ生育環境を変化させないことである。水槽などの容量と飼育に適する尾数、その場合の濾過装置などについては専門店などのアドバイスを求めるのが、もっとも妥当な方法である。