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錦鯉の歴史

種の起源 - 人と鯉の歴史

錦鯉の歴史を語る時、そもそもの種である「鯉」の歴史について触れておく必要があります。
鯉は最も昔から人に飼われていた魚の一つといわれ、かつては一般的な定説として、その原産地は中央アジア(ペルシャという説)とされ、民族の移動とともに世界の各地方にも移植されて全世界に広がっていったといわれていました。
ちなみに孫悟空の活躍などで私たちにも馴染み深い西遊記にも、天竺の池で飼われていた鯉が毎日有難いお経を何百万遍も聞いているうちに法力をつけ、変身するなどの術を取得して地上に降りてきて人の世で悪さをして三蔵一行に懲らしめられ、あわやというところで観音菩薩が現れて、元の鯉の姿に戻されて天竺の池へ連れ戻されるといった話が出てきます。
このようにアジアの中心であった中国では鯉がどれほど昔から飼われ、われわれ人間と親しい存在であったかを示唆している。世界最古の鯉の飼育についての書かれた本もやはり中国のもので、「養魚経」という紀元前470年ころの書物に当時の飼育方法が詳しく書かれているといわれています。
ある意味では、全世界への文化伝播の道「シルクロード」というロマン漂う余韻を鯉の歴史と重ねあわせることは心沸き立たせる話ではあるが、残念ながら最近の調査によると、日本でも約2500万年前から500万年前の地層から鯉の化石が出土しており、鯉が大陸の文化とともに中央アジアから伝播したものではなく、日本でも昔から自然に分布していたというのが、冷静な科学的正論のようです。
また、日本における鯉の飼育の記録となると、定説となっているところでは720年に編纂された「日本書紀」に、景行天皇が観賞用に美濃国泳宮で池に鯉を放っていたとか、推古天皇が大和飛鳥川のほとりの蘇我馬子の庭園で泳ぐ鯉をご覧になったという記述がある。つまり、少なくとも日本でも2000年近く前から鯉は人に飼育されていたことになります。
鯉はこのように私たち人間と深く、長い絆で結ばれている生き物の一つ、友といえる存在ではないでしょうか。