特集

このサイトは、錦鯉の生産者情報や品種・魚病やお得な情報まで掲載する情報サイトです。
ベテランの方はもちろん、初心者の方にもわかりやすい情報を掲載していますので、錦鯉の魅力や飼育方法、資材や、買い方のチェックポイントなど様々な情報をお楽しみいただけます。

錦鯉の病気

新しく発見された病気と考えられる対策

ここで紹介する錦鯉の病気は、近年発見、報告されているものを紹介するが、対策としてまだ確立されていないものもあり、注意すべき病気として下記のようなものが上げられる。

(1) 浮腫症、ローソク病

1970年代後半になって確認された新しい病気で、毎年梅雨の時期に集中して発生している。対策もじょじょに進んできているが、決定的なものはないようである。
(原因と症状)
原因はまだ完全に突き止められていないが、病気の錦鯉のエラからウイルスが見つかり、このウイルスによるものと考えられている。
この病気に感染すると、飼育している池、水槽の中の全ての錦鯉が発病し、2、3日で死滅する急性の致死性の危険なものである。
感染した鯉は遊泳せず、水面に浮き上がり、平衡感覚を喪失する異常な状態を示す。外見上は、体のむくみ、眼球の落ち込み、松かさなども見られることもあるが、必ずしもこうした症状を発症するとは限らない。エラ上皮が著しく肥大し、エラの毛細血管を圧迫、エラの重要な機能である塩類の吸収、排出機能が麻痺し、循環障害をきたす。
梅雨の時期に屋外などで飼育していて、1歳(当歳)魚が水面に浮かんできて、注水、排水溝の近くに集まり始めるような場合、この病気の感染を疑ってかからなければならない。
(対策)
対処療法として、早急に食塩で薬浴させてやる必要があるが、完治させる治療法や感染を未然に防ぐ方法は確立されていないのが実情である。

(2) 抗酸菌症

1981年から翌年にかけて発病が確認されたもので、発病魚は全て当歳魚で、発病時期は冬期に限られている。
(原因と症状)
結核菌と同類の抗酸菌が魚の浮き袋、腎臓、秘蔵など内臓に感染して発症する。病魚は痩せて背が痩せこける「背コケ」症状がみられるようになる。感染した魚は必ずしも死に到るものではないが、慢性的になり、放置すれば衰弱する。
冬場に当歳魚に「背コケ症」が見られたら、疑ってかかる必要があるが、感染の確認には開腹して浮き袋などの検査を要する。
(対策)
菌についても対策についても確定されていないが、伝染力は強いとされ、治癒困難な病気とされる。特効薬は今のところないものの急死することもないので、飼育管理を整えることで回復する可能性もある。発している。

(3) 新穴あき病

最近報告された新しいもので、ヒレやヒレの付け根、口唇部など、上から見ただけでは比較的見つけにくい所に発症する。
従来の穴あき病と異なる特徴としては、当歳魚などの小型の鯉でも発病し、加温越冬池では高水温ほど症状の進行が早い、患部の大小に関係なく死に至り、病魚を一緒にしていると他の魚に伝染し、従来使用していた水産用抗菌剤では治療効果が得られないなどがあげられる。しかし、動物性抗生物質などの経口投与で治療可能であることが確認されているので、早期発見、早期治療を行うことで解決可能である。
(原因と症状)
穴あき病と同様の複数の菌に感染したことによると見られ、外部からの感染であることを考えれば、新たに購入したり、鯉を移動する時に鯉をビニール袋などに入れ、下から魚体の下部、ヒレ周辺などの様子を観察して、イカリムシ等の寄生虫もないのにウロコ1枚でも赤くなっていたり、充血していたり、ヒレの先端から出血し欠損しているような症状が少しでも認められるようなら、「新穴あき病」を疑うべきだろう。
症状を確認できたら、専門店や獣医師に相談し、指示された薬剤で治療することである。
(対策)
早期発見が第一、発見したら専門家に相談というのが基本である。
治療としては、1尾でも病魚がみられた場合は、他の魚も感染している可能性が高いので、飼育している全てを集団で治療することが望ましく、動物用抗生物質のエンロフロキサシン、ジフロキサシンを使用する。この場合、薬はエサに噴霧などで吸着乾燥させて与える。薬が紫外線で分解されるので、乾燥は室内で陰干しし、乾燥後は投与時の薬剤の流失を防ぐため、エサの表面をフードオイル等でコーティングし、5~7日間投与することが基本的な方法である。
獣医師に相談すれば、抗生物質の注射なども施してくれるので、あくまで専門家への相談が薦められる。